医療法人 医仁会 理事長|小林 勝正

理事長からのメッセージ

理事長|小林 勝正

Message from Katsumasa Kobayashi

健康でありたいという気持ちは誰も同じである。誰も好き好んで病気になるわけじゃないし、好き好んで突然、伴侶を失うものでもない。しかし、病は突然予告もなくやってくる。その病が脳卒中であったり、心臓発作であったり、癌であったりする。発病しなければ誰もその病に気付かない。発病してもその病気を克服し、完治できれば問題はない。しかし、運命は残酷なものである。ある日、突然、脳卒中発作を起こし、病院に担ぎ込まれた時点で、その後の運命が決まる場合がある。病院としては発病の原因とその時に必要な医療手段を講ぜられるが、不幸にも重度の後遺症を残す場合もある。家族にとっては全く平穏な生活からある日突然、重度の病人を抱え込むこととなる。

ほとんどの場合、家族といっても同年齢であるために、その看護も介護も頭で考えるほど容易ではない。急性期病院は、限られた病床を有効に使うために、当初から在院日数が想定されている。家族にとっては病院から帰されたその日から全く経験したことのないような介護生活が始まるわけだ。以前はこうした介護は無償であり、家族がするのが当然という考えで理解されていた。20年前に介護保険が提唱された時、これによる福音が非常に期待された。しかし、介護保険にも限界があり、結局家族の犠牲に成り立った介護しか現実にはないのである。

強制的に帰された重度の方を介護する必要性のために、多くの悲劇が生まれた。老老介護の共倒れ、独居老人の孤独死、老老介護の疲れからくる家族の自殺など、これらの話は枚挙に絶えない。こうした問題を少しでも解決しようと、当法人が開設したのが老人ホーム太郎と花子である。老人ホームといっても在宅に準ずる収容施設のため、先天性疾患、分娩障害、労災事故の被害者をも含めて国の収容施設の不足を補うべく、当法人の職員は日夜研鑽している。

今後、独居老人のためのスペースを多く作るのか、障害がある方を多数収容するための施設にするのか、老老介護の家族の疲弊を解消するために施設を開放するのか、まだまだ解決付けなければならない多くの問題が残っている。こうした問題を国や地方行政に責任を問うのではなく、フットワーク良く困った方を1人でも救済するために当法人は職員あげて知恵をしぼっている。これらの問題を解決する答えは病人とそれを取り巻く家族の中にあると認識しているから。